
18-105mm / 18mm 10min(30s×20) F5.6 ISO800
赤道儀:Vixen ポラリエ
※記事作成日時が6月18日なのでタイトルもそうなっています。
ソフトフィルターを使用して星野写真・星景写真を撮影する例が多く見られる。
ソフトフィルターを使うと、どのようなメリット・デメリットがあるかを調べてみた。
1.単独(1枚撮影)での差
どちらも、撮影直後の状態から少しだけ暗くしている。
【フィルター無し】

18-105mm / 18mm 30s F5.6 ISO800
【フィルターあり】

18-105mm / 18mm 30s F5.6 ISO800
光害地での撮影のため、全体的にやや赤かぶりしている。
星の解像度では、フィルター無しが勝利。
大きな星の写り方では、フィルターありが勝利。
天の川の様子は、どちらもうっすらと現れており差はない。
また、上の点線のようなものは多分飛行機の軌跡だが、それが入っていないものも合成したため合成画像では消えている。
2.複数枚合成での差
どちらも、YIMGを使って合成し、コントラストを強調している。
強調の条件はいずれも同じ。
また、どちらも背景のフラット補正をしている(上はやや不十分)。
【フィルター無し】

18-105mm / 18mm 6min(30s×12) F5.6 ISO800
【フィルターあり】

18-105mm / 18mm 4min(30s×8) F5.6 ISO800
1枚ではわかりにくかったが、天の川や星雲の出方に顕著な差がある。
どちらもある程度天の川がはっきり現れているが、下のほうがより色がついてカラフルな感じになっている。
また、はくちょう座デネブの左側にある北アメリカ星雲だが、


上下を等倍で比較するとわかるが、フィルター不使用ではほとんど現れなかった星雲の赤色がフィルター使用で現れている。
3.合成
露光時間4分ではノイズが目立つため、両方の画像を比較明合成(明るさ優先)でノイズを削減し、コントラストを強調した。

18-105mm / 18mm 10min(30s×20) F5.6 ISO800
4.結論
星景・星野写真でのソフトフィルターの性質についてまとめました。
【メリット】
・大きな星の色がはっきり出る
・星雲や天の川の色がはっきり出る
・星の周りの黒いフチがなくなる
・星座をはっきり写したい人に向いている
【デメリット】
・小さな星が写りにくい
・撮影時にピントが合わせにくい
・点像の星が好きな人には向かない
・お金がかかる(52mmで約3000円、77mmで約4000円)
と言うことで、ソフトフィルターの使用・不使用については人によっては評価が割れますが、少なくとも吾輩は使った写真のほうが好きです。
また、ソフトフィルターの種類だが、プロソフトン(A)は強すぎず弱すぎず丸く広がるので星写真にはお勧めです。これでは強すぎる・弱すぎるとい場合は他の製品や自作するのも良いですが、他の製品を買う時はよく下調べすることをおすすめします。特別な目的がない限り、ボケが楕円状で真円にならないものは星写真には向いていません。
更に、クロスフィルターなどを使うとより玄人っぽい写真が取れます(笑)。