NGC869,NGC884-20121009
2012.10.09 3:01 / 500mm F6.3 / 500mm  8min  F6.3  ISO3200

ペルセウス座は北天にあり一年の長い期間見ることができるのだが、写真に撮るとなれば話は逆だ。
ちょうどこの時期は天頂付近に来るので、構図の移動が極端に難しくなる。
そのため、西に傾く3時頃まで待たなければならない。


話は変わるが、「政党制」について考えたことはあるだろうか。
大きく分けると、世界の政党制は下の7つに分類することができる。

原子化政党制
極度の政治混乱期に発生し、小政党が乱立した状態。

分極的多党制
多くの分立した政党が存在し、主張が大きく異なる2つのグループに分かれた状態。

穏健な多党制
多くの分立した政党が存在し、主張が似通った2つのグループに分かれた状態。

二大政党制
多党制の中でも、2つの政党が強い勢力を持っている状態。
(例:米国の共和党・民主党)

一党優位多党制
多党制だが、1党が多くの議席を占めている状態。
(例:以前の日本の自民党)

ヘゲモニー多党制
多党制だが、1党が圧倒的優位で実質一党独裁に近い。かつて存在した独裁政党の多くがこれである。
(例:中国共産党)

一党制
唯一の政党のみが存在を許されている状態。野党が存在しない。


よく日本の政治は、「以前は自民党が圧倒的な勢力を握った一党優位多党制で、今は二大政党制だ」と言われる。

しかし、日本の政治で重要な「派閥」という概念を導入すると、日本は自民党と社会党の対立時代の「分極的多党制」状態から「穏健な多党制」に移行したといえる。
実際、自民党や民主党などの大政党は5つほどの派閥に大きく分かれ、それぞれ経済や政治に対して異なった主張をしている。しかし、これらの派閥は同じ政党に属しており、基礎となる考え方は似ている。
日本の政治は「二大政党制」のように見える「多党制」であったのである。

しかし、ここ2年ほど流れが大きく変わり、「みんなの党」「大阪維新の会」系列を始めとする新興勢力が登場し、民主党からは「国民の生活が第一」という新政党が誕生した。更に、「たちあがれ日本」などの小さな政党も多く誕生し、乱立状態にある。
日本の政党制は現在、「原子化政党制」に向かっているのかもしれない。

話を星団に戻すが、この星団も政党制に無理やり当てはめると「二大政党制」に近く見える人が多いだろう。

しかし、人によっては星団の中に更に小さい星団がいくつか集まっている、と主張する人がいるかもしれない。それは人それぞれだろう。
ニュージェネラルカタログを作った人達はこれらを「NGC884」「NGC869」と2つの大きなグループに分けたのだが、これがもし曖昧で大きな星団だったら3つ以上に分かれていた可能性もある。

アンドロメダも、アンドロメダ銀河とその周りにある小さな銀河をまとめて考えるか、それとも別々に考えるかは人によるだろう。例えば、メシエカタログではM31、M32、M110と別々の天体に分けられている。

ところで、この「二大政党星団」ならぬ「二重星団」だが、実は日本と同じく謎の第三勢力が現れているらしい。

DSC_6228-6247-1280
解説なしバージョン (2560x1704) 70-200mm / 200mm,8min

その名も、Stock 2

Stockと言えば、在庫、株式、スキーのストックなどいろいろな意味があるが、ここでは星団のカタログのことを指す。

実は、Stock 2に限らず、この付近は数多くのマイナーな散開星団があるそうだ。

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滝星図(8.5等)より引用、ソースのpdfファイル

アマチュア天文家にもよく知られているメシエ、NGC、IC、その他有名な星雲・星団の他にも数えきれないほどの星雲や星団が宇宙にはある。
特にこの付近は散開星団が非常に多く分布している。

それもその筈、ペルセウス座は天の川の真っ只中にあるからである。
人口が多ければ人々のグループが多数形成されるのと同様、星だって多ければ沢山グループを作る。
天の川は地球から見て多くの星が密集しているように見える場所で、我々の生活に例えるならば大都市のような場所である。
おそらく、この付近には上の図にも書いていない無名の散開星団が数えきれないほど存在していると思われる。

その中でも、ひときわ目立つ2大勢力が「二重星団」として現れたのだろう。