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2012.10.27 / 70-200mm / 200mm  1/200s  F8  ISO100

気が付いたら10月ももうすぐ終わる。
最高気温が10度を切るような日も珍しくなくなり、秋も深まっていることがよく分かる。
流石にこの寒さになると山も赤や黄色に染まり始め、本格的に紅葉が始まっている。

現在18-105mmと70-200mmの2つのレンズを主に使っているが、前者は開放F値に問題があり、後者は重さに問題があり、軽い単焦点レンズが欲しいと思っている状態である。
そこで、GANREFphotozoneなどのレビューサイトを見て性能が良くて安そうなレンズを探すのだが、サイトによって結果に違いがあり、解釈が難しい場合も多い。

これらのサイトに限らず最近よく「高性能」「高画質」という言葉を耳にするが、これらはどのように決定されるものなのだろうか。

「高画質だ!」と決定するための要素は主に、
1.解像度の高さ
2.色の再現度
3.ノイズの少なさ
4.色や明るさの偏りが無いこと
5.ボケの綺麗さ

このうち、センサーに依存するものが主に2・3・4で、レンズに依存するものが1・5である。
特に、風景写真においては解像度が非常に重要となる。
では、解像度とはどういうものなのか。

レンズの解像度を知るためには、MTF特性というものを知る必要がある。
難しく言うと、白黒のテストパターンを撮影し、そのデータをフーリエ解析した時のデータで、簡単に言うとレンズの解像感とコントラスト感を表す特性である。
MTF特性曲線は、レンズを売っているメーカーのサイトを見ると必ずといっていいほど公表されている。
しかし、読み方がわからない人も多いと思う。
次にグラフの具体例とどんなレンズかを示したい。

excellent_a
1.大変素晴らしいレンズ
両方の曲線が100%にぴったりくっついており、又中心から周辺部まで安定している。このような曲線となるレンズは極めて優秀で、中心から周辺までくっきりと写ってくれる。このような特性を持つレンズは少なく、300mm F2.8、500mm F4 等の超望遠単焦点レンズや一部の大口径望遠ズームレンズにしか見られない。


H_L_a
2.高解像度・低コントラスト型
解像感はあるが、コントラストが低く全体的にグレーっぽい感じになるパターン。画像処理の際にコントラストを高くすると良い画像になる。


L_H_a
3.低解像度・高コントラスト型
全体的にメリハリ感があるが、細かいところまで描写しきれていないパターン。画像処理でシャープネスを強めると改善するが、限界がある。


worst_a
4.解像度が悪いレンズ
メリハリがなく、解像感もあまりなく、レンズとして性能が悪いと言わざるをえないパターン。実際は上のレンズのように酷いものはF1.4の開放くらいでしか見られないが、かなり明るい単焦点レンズの開放で撮影すると分かるように、全体的にぼやっとしたソフトな写真になる。

●ボケや周辺像に影響を与える要素

・放射方向と同心円方向のMTFの差
多くの場合、グラフには実線と点線の2つの曲線があると思われる。これは方向別にMTFを測定しているためだが、実はこれらの曲線が揃っているということは極めて重要である。
MTFが低いということは、すなわちボケて見えるということを意味している。これが放射方向と同心円方向で大きくずれていると、ボケの形が歪になったり、点像でも彗星のように尾を引く可能性がある。

【余談】
ちなみに、今日掲載した写真の撮影に使ったレンズは、極めて高性能なレンズである。当然、解像度も広角側から望遠側、中心から周辺までかなり安定して高い値を保っている。一方、もう一つの18-105mmでは開放付近で解像感が悪い時があり、絞って使うことが多い。


【用語解説】

・空間周波数
周波数の大きさ。どれだけ忙しく色が変化しているかを表す。単位はLine/mm(本/mm)などで表される。

・10本/mm
1mm当たり10本(0.10mm)におけるコントラストの強さを表す。これは主に画像のメリハリ感(コントラスト)を表している。センサーサイズが小さい(M4/3など)では20本/mmと書いている場合もある。

・30本/mm
1mm当たり30本(0.03mm)におけるコントラストの強さを表す。これは主に画像の解像感を表している。
センサーサイズが小さい(M4/3など)では60本/mmと書いている場合もある。

・MTF
コントラストの大きさ。どれだけ白黒はっきり変化しているかを表す。0から1までの数値、又は%などで表される。

・放射方向(Sagittal)
光軸(レンズの中心)から広がる方向。

・同心円方向(Meridional)
放射方向に垂直な方向。

・中心からの距離(Image Height)
レンズの光軸からの距離を表す。数字が大きいほど周辺部になる。

・ナイキスト周波数(Nyquist Frequency)
サンプリング周波数(画像の場合は縦横のピクセル数)の半分。デジタルデータにおいて、これより大きな周波数データは潰れてしまう。フーリエ解析により周波数特性を計算すると、ナイキスト周波数を中心に左右対称になっているように見える。