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2013.04.28 13:45 | Nikon D7000 | Sigma 17-50mm F2.8
50mm (75mm eqv.) | 1/40s | F11 | ISO400


  現在、日本列島では全国的に低めの気温が続いています(図1)。特に北日本では日照時間も少なく、農家が嘆く毎日となっています。道央は特に深刻で、もう5月なのに風景が2~3月から雪を取っただけの状態になっています。とある札幌の人は「1週間以上太陽を見てない」というほどで、そろそろ天気が回復してくれないと連休が終わってしまいます。

  気象庁の予報(図2)ではもうすぐ気温が上がると予想されていますが、これまでの外しっぷりを見ると、また気温が低いままになりそうで嫌な予感しかしません。

図1:気象庁 気象統計情報 > 最新の気象データ > 天候の状況

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図2:地球気 専門天気図 [FCVX14] 1ヵ月予報資料 各種時系列図

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  ここから本題に入りますが、6月以降の「夏」の天気は重要です。順調に気温が上がれば問題ないですが、低い気温が続けば農家や観光業だけでなく気候変動に関する話でも大きな変化が見られる可能性があります。

  そこで重要なのが、「夏の天候のジンクス」と呼ばれているものです。ジンクスというと、「○○だと××」になるという主に不幸な言い伝えが多いですが、夏の天候でもそのようなことがあります。

1.1の位が0の年は猛暑

・1990年

  1990年といえばバブルが崩壊し始め、世界的にも変革が訪れ始めた年として有名だが、夏も暑かった。大阪で70日連続の真夏日を記録したらしい。

参考:猛暑の記録

・2000年

  2000年も記録的な猛暑であった。2010年に比べると印象は薄いが、東京で真夏日日数を記録するなど相当暑かった。札幌でも最高気温36.0度を記録した。

・2010年

  この年が「100年に1度」レベルの猛暑であったことは記憶に新しい。気象庁ではこの年は冷夏になりやすい(太陽黒点極小・エルニーニョ南方振動)と予想していたが、実際には外れ、記録的な猛暑になった。9月に39.9度という大台突破寸前の気温を出したことが有名になったが、観測所がズルをしていたらしく記録は取り消された。


2.1の位が4か9の年は豪雨

・1999年

  1999年は、梅雨前線による豪雨が印象的だった。千葉県の佐原では1時間雨量152.5mmという日本記録を達成し、西日本(特に広島など)で深刻な豪雨被害があった。

参考:国土交通省「1999年に発生した全国の被害」

・2004年

  2004年は、過去最多の台風上陸数を記録した。年平均の上陸数が3個前後であるのに対し、この年は10個も上陸した。この年は風の強い台風が多かったが、大雨による被害も大きかった。

参考:デジタル台風「2004年(平成16年)の台風に関する情報のまとめ」

・2009年

  2009年も豪雨被害が目立つ年であった。この年は特に梅雨前線の活動が活発で、梅雨が明けない地方もあった。代表的なのは「平成21年7月中国・九州北部豪雨」で、気象庁が命名するほどの大きな気象災害となった。当時、テレビのテロップで「1時間雨量146mm」などというものを見て驚愕した記憶がある。ちなみに、この雨量は2008年に愛知県岡崎市で記録した雨量と等しい。100mm以上はなかなか見る機会がない。

  ちなみに、1の位が4の年(1984年、1994年、2004年)は猛暑になりやすい年としても有名である。


3.1の位が3の年は冷夏

・1993年

  1993年は記録的な冷夏となったことを知っている人は多いと思う。この年は、沖縄以外で梅雨明けが発表されなかった。フィリピンのピナトゥボ火山の噴火の影響があるとも言われる。世界的に気温が低下し、日本列島付近では特に夏の気温が低くなった。農作物への影響は大きく、米を備蓄していなかった当時は米の不足が深刻となった。「平成の米騒動」と呼ばれ、タイ米が大量に輸入されたが、評判はあまりよくなかった。

・2003年

  2003年も天候不順が深刻な年であった。天気的な面では、高校野球の順延が多発したことなどがあった。しかし、この年は幸い(?)なことに9月の残暑が厳しかったために、農作物への影響が1993年に比べ小さかった。一方、電力消費量では9月になって増加し、最近問題になっている電力供給の面では望ましくない結果となった。

・2013年


  え、今年も3が付く年!?暑い夏は嫌だけど、寒い夏はもっと嫌ですよ~。

  北海道なんて冬の大雪、5月初めまでの低温と来て、次は冷夏ですか。泣きっ面に蜂もいいところですよ。

  3日くらいならば「まあ、いつかは晴れるさ」で済まされるものの、1週間以上になれば気持ちも荒み「雲死ね!」「自殺に最適な天気だ」となりかねません。

  ましてや、北海道の農業は後継者不足や、TPP参加した場合に外国の農産物に競争力で負けることが懸念されていて、それに加えて人口流出、何一ついいことありませんよ。

  北海道は観光が強いですが、毎日曇天ならせっかくの観光客も逃げてしまいかねません。

  一時的な雨や曇りはいいですが、長期的な天候不順は勘弁です。今年こそ「3の付く年」のジンクスが外れるよう祈ります。