DSC_2331
2013.05.21 18:12 | Nikon D7000 | Sigma 17-50mm F2.8 OS HSM
17mm (25.5mm eqv.) | 1/500s | F8 | ISO100


  寒かったゴールデンウィークでしたが、最近は寧ろ暖かいを通り越して暑くなってしまいました。北海道のオホーツク海側では30度を超えるような暑さとなりましたが、運悪く?本州が梅雨入りしたので余り話題になりませんでした。

  ニコンの無料ソフトで付いてくるものに、D-アクティブライティングという機能があり、これを使うと似非HDRのような写真が簡単に作れます。ニコン機・ソニー機は暗い部分の色再現性が高く、全体的に黒つぶれしたような写真でも上のような加工が可能となります。

  ここから突然経済の話になって申し訳ありません。アベノミクス、金融緩和などがよくニュースになり注目されているインフレ政策ですが、消費税増税と合わせて物価上昇に関する懸念はあると思います。しかし、値段が下がればいいのでしょうか。結論から言えば、物価下落は良い物と悪い物の両方があると思います。

(本当は資料を提示し、ミクロ経済的な議論をすれば説得力がありますが、難しいので今回は簡略的に文章をまとめます。)
☆良い値下げ☆

1.材料費が安くなることによる価格下落


  材料費、これには原材料のみならず製造過程に使われるすべての資源が含まれます。例えば、ガソリンの元となる原油なども含まれています。このパターンの価格下落は、資源調達コストが以前に比べて下がり、その結果製造費用が下落し、それが販売価格にも反映されるというものです。

  また、品質が同じならば価格が高い国のものよりも安い国のものを輸入するなどの方法により価格が下落することもあります。これには問題点もあり、例えば最近では貿易の自由化で輸入品が安くなれば国内産のものが売れにくくなるのではという懸念があります。


2.技術革新により製造コストが下がり、価格下落へ


  これは、従来の技術では大量の資源を消費したり、製造するために多くの手間がかかったりなどの理由で製造コストが高かったものが、大量生産技術などの確立で製造コストが下がり、販売価格に反映されるというものです。

  この値下げは最も望ましいパターンの値下げですが、問題がないわけでもありません。例えば、元々手作業でなければ作れなかったものが機械で大量生産できるようになると、職人の仕事が無くなるということになります。それが実際に社会問題化したのが、イギリスで起こった「ラッダイト運動」と呼ばれるものです。機械化によって手工業者の存在意義が無くなる、ということから大規模な破壊運動が起こりました。

  しかし、今では大量生産できるような製品でも、職人が手作りで作ったものを売っている例は多く、「手作り」というところに付加価値を付けて売っている事がよくあります。


3.販売者のサービスによる価格下落


  1や2に当てはまらない値下げには、販売者がサービスで値下げするというものがあります。例えばバーゲンセールや特定の人を対象とした割引セール、在庫一掃などの行為が当てはまります。一般消費者が目に見えるような値下げはこれが多いです。

  特に、在庫一掃による価格下落は、販売側にとっては在庫の保管費用と売れ残り品の廃棄費用の削減、消費者にとっては同じ物が安く変えるという理由で二つのメリット(売れたと仮定した場合)があります。赤字になってでも在庫を一掃するのは、保管費用がバカにならないほど案外多額なのだからです。


◇悪い値下げ◇


1.人件費の圧縮による価格下落


  バブル崩壊後の日本では、景気の悪化により企業の収益が減り、人件費を圧縮して企業を何とか維持して来ました。しかし、2000年台前半に景気が好転して企業の収益が増えてきても寧ろ給与は下がって行きました。端的に言うと、企業の収益を増やすために人件費を削減しました。

  人件費を圧縮して物の値段を下げると、消費者の観点からすれば「者が安くなっていいじゃないか」と考えますが、給料を貰っている人からすればいい話ではありません。それどころか、働く人は消費もするので、消費にも悪影響を与える恐れがあります。こうして、実際に日本で起こったのが「デフレスパイラル」です。

  物が売れない→物の値段を下げる→給料も下がる→物が買えなくなる→…を繰り返す悪性のデフレ現象で、最近になってようやくインフレになりそうだという状態にはなりましたが、政策に失敗すると更に質の悪い「スタグフレーション」(物価だけ上昇し、給料は下降・維持)になってしまいます。せっかく政権が変わったのですから、なんとか成功してほしいものです。

  また、この値下げには最近問題になっている「下請けいじめ」も関連しています。値下げするために製造コストを下げる、固定費を削減するなどの努力をせず、下請け企業の給料を下げることばかり考えているような企業は、このような現象に陥っています。


2.物が売れないことによる値下げ


  これも大きな問題がある値下げです。在庫一掃の値下げは「良い値下げ」の方で触れましたが、そもそも「在庫が残る」という事自体はビジネスではよくあることです。しかし、余り過ぎると大きな問題です。

  そもそも在庫が大量に余るということは製品そのものの魅力がないか、管理者の判断ミスで作りすぎたなどという値下げ以前の問題ですが、このような商品を乱造すること自体、経済的には良くない行為です。環境問題的に考えても処分の問題があるので大きな問題です。

  「物が売れない」というのは、不況によってももたらされます。不況で物が売れなくなって値下げをする、ということを繰り返すと上で述べたようなデフレスパイラルになってしまいます。


  以上、値下げについてまとめましたが、値上げについても同じように「良い値上げ」と「悪い値上げ」があると考えられます。これ以上書くとかなり長くなってしまうので今回は割愛しますが、物の値段の仕組みから経済を考えることは重要だと思います。