

左側:フィルム換算300mm相当
右側:フィルム換算75mm相当
写真をやっている人は、指数をベースにした「段」(1段=2倍)という単位をよく使います。この「段」は人間の感覚と同じ指数がベースであるため、極端な状況もその間の状況も正確に表現することができます。
一方、音楽では周波数が2倍になることを「1オクターブ高い」と言ったりします。オクターブ(octave)とは「8」という意味で、基準となる音から数えて8個目だからこのように呼ばれます。音楽の場合はこれを1/12に区切った「半音」という概念をよく用います。
ここで、我々はあることに気がつく。
写真では「段」を使う概念として絞り値・シャッター速度・ISO感度があるが、どれもせいぜい1/3か1/6に区切るのが限界なので、より細かく区切ることのできる焦点距離を用いました。

※赤は基本的な焦点距離、青はAPS-Cに多い焦点距離、緑はテレコン使用時に多い焦点距離、黒はその他
さて、皆さんの持っているレンズや撮った写真の焦点距離はどれが多いでしょうか?
まず、一番最初に目につくのはドの系列でしょう。基本となる焦点距離がひと通り揃っている(というか、100mmを基準にしたので当たり前)ので、最も重要だとわかります。音楽でも、ドから始まる「ハ長調」「イ短調」は基本中の基本ですし、ドを使わない曲というのは余り聞いたことがありません。
次に目立つのがソの系列でしょう。主に望遠側ですが、150mm、300mm、600mmがあります。そして、この一つ下のファ#の系列には、重要な18mmと35mmがあります。
他に重要な焦点距離といえば、28mmがありますが、ここではレに分類されています。近くでは24mmがシ、35mmがファ#となっていますが、これらを合わせると「Bm」というコードができます。
24mm、28mm、35mmはよくスナップ写真で使われる組み合わせですが、これからは「Bm3兄弟」とでも呼びましょうか。