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皆さんはパソコンやスマートフォンのCPUについて考えたことはありますか?
このブログは写真のブログですが、RAW現像の負荷が重いため、ハイパワーなCPUが必要となっています。そのため、2017年末、ついに新しいPCを自作してしまいました。
さて、自作PCといえば外すことのできない「おじさん」達がいます。
「今は時期が悪いおじさん」
「Sandy Bridgeおじさん」


ん?Sandy Bridgeおじさんって何?そもそもSandy Bridgeって?

目次
■Sandy Bridgeとは?
■Sandy Bridgeの性能は?
■Sandy Bridge vs Haswell
■Sandy Bridge vs Skylake / Kaby Lake
■Sandy Bridge vs Coffee Lake
■Sandy Bridge vs Ryzen
■Sandy Bridgeの終焉はいつか?
■次はHaswellおじさん? Windows7おじさん?
■結論


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出典:Wikipedia


■Sandy Bridgeとは?

Sandy Bridge(サンディブリッジ)とは、インテルのCore iシリーズ第2世のCPU群のことで、2011年にリリースされたものです。第1世代「Nehalem」よりも大幅に性能が向上し、更にオーバークロックもしやすいということから、大人気のシリーズとなりました。
発売された当初は、チップセットの不良により全交換になる、という珍事が発生し、「Sandy Bridgeコケたなw」という展開もありましたが、(当時のAMDが不甲斐ないのもあってか)性能の高さが評価され、インテルCPU躍進のきっかけとなりました。


■Sandy Bridgeの性能は?

Sandy Bridgeの特徴として、Windows10環境においても最新世代に大きく劣らない性能を発揮する、という点があります。
そのため、PCの買い替えが昔に比べ減った今では、ギリギリ現役として使えるSandy Bridgeを使い続けるという人も少なくありません。
そのように、いつまでもSandy Bridgeを使い続ける自作erなどを、ネット上では「Sandy Bridgeおじさん」として揶揄する動きもあります。

下のグラフは、マルチコア性能が重視されるベンチマークにおいて、Sandy Bridgeのi7-2600Kと歴代のCPUの性能を比較したものです。

2600k
出典:AnandTech

このグラフを見て、まだi3には勝てるwwwとかとか思ったら負けです(笑)

まあ、i7がi3なんかに負けたらそりゃ屈辱ものですが…


■Sandy Bridge vs Haswell

Sandy Bridgeの後継としてIvy Bridgeというのがありますが、マイナーチェンジモデルとなるため、実質的に進化するのは次のHaswellとなります。HaswellのCPUは2013年にリリースされ、4770K、4670Kなどが主要製品です。後に、Haswell Refreshという改良版が出されています。
Haswellでは、シングルスレッド性能が若干向上し、NVM Express(高速ストレージ技術)のサポート、Windows8以降のOSへの最適化などの点で進化しています。
ただし、Nehalem→Sandy Bridgeに比べると変化が少ないため、Sandy Bridgeでもいいかもしれません。


■Sandy Bridge vs Skylake / Kaby Lake

Haswellの後継としてBroadwellがありましたが、こちらもマイナーチェンジとなるため、次の進化はSkylakeです。
また、Skylakeと同じアーキテクチャ・プロセスで、クロック周波数を向上させたKaby Lakeというのもあります。
Skylakeは2015年、Kaby Lakeは2017年にリリースされました。
ほぼ最新のCPUということで、性能は問題ないかと思います。
ただし、コア数はSandy Bridgeと同じ4コアであるため、劇的な進化というわけではないです。
また、後述するCoffee Lakeの登場により、これらのシリーズは微妙な物となってしまいました
Kaby Lake時点では、Sandy Bridgeでも十分と考えるのは仕方ないでしょう。
更に、Kaby Lakeでは、MicrosoftがWindows7/8.1のサポートをやめてしまいました
これらのOSを使う場合なら尚の事Sandy Bridgeを使う説得力はあるでしょう。



■Sandy Bridge vs Coffee Lake

Kaby Lakeの後継として、Coffee Lakeが発表されました。世代としては第8世代、Sandy Bridgeから6世代も進んでいます。
どうせ4コア8スレッドでSandy Bridgeと対して変わらない…
とは言わせません。
今回はなんとi7が6C12Ti5が6C6Ti3が4C4Tと大幅にスペックアップしました。
i7とi5はKaby Lakeの1.5倍、i3に至ってはなんと2倍です!!
こうなってしまったら、流石にSandy Bridgeとの差はかなり開くでしょう。
ついに、インテルのCPUもSandy Bridgeおじさんを困らせるほどの性能になってしまいました…

それにしても、インテルの偶数世代は性能向上が大きく、魅力的な製品が多いです。
一方で、奇数世代は地雷とまではいいませんが、微妙なのが多いです。

・Ivy Bridge…ソルダリングからグリスへ変更、冷却性が低下
・Broadwell…14nm化し、内蔵グラフィックの性能が向上したが、それ以外の進化はなし
・Kaby Lake…実質Skylakeのクロックアップ版、同一クロックでの性能向上なし


■Sandy Bridge vs Ryzen

さて、Coffee Lakeはコア数が大幅に増え、かなり魅力的な商品となりましたが、どうしてこうなったのか。
原因はどう考えてもAMDです。
2017年3月、AMDの最新世代のCPUである、Ryzenが発表されました。
最大8C16Tでシングル性能もSandy Bridge~Haswell程度ととんでもないスペックでした。
しかも、
価格が2~5万円、TDPが65~95Wと来たものなので、当然インテルは焦ります。
そして、対抗商品としてリリースされたのがCoffee Lake、Core i第8世代です。
それから1年、Core i7/5よりも弱いと言われていたシングルスレッド性能を強化した「Ryzen 2000」シリーズが発表されました。その製品名が何と、
・Ryzen 7 2700X
・Ryzen 7 2700
・Ryzen 5 2600X
・Ryzen 5 2600

と、Sandy BridgeのCPU名に似ているではありませんか!
特にRyzen 5 2600!!
同じ「2600」でありながら、シングルスレッド性能は3割程度上回り、マルチスレッドは1.3×1.5=1.95倍になると言われています。
こうなると、Sandy Bridgeおじさんはもう涙目というしかありません。


■Sandy Bridgeの終焉はいつか?

どんなものにも寿命がある、というのがこの世の常です。
PCの世界では長らくWindows7がシェアを占めていましたが、最近ではWindows10が上回るようになってきました。
飛行機の世界においても、B747がどんどん引退し、B787を最近ではよく見るようになりました。
鉄道の世界においても、國鐵廣島など全国の国鉄型天国が崩壊し、最新技術を導入したJR型車両が広まっています。
CPUの世界は、OSや飛行機や鉄道の世界よりも進化が早く、5年でハイエンドCPUがローエンドになってしまうという事態も考えられます。
実際、AMDのAthlon 64X2やインテルのPentium D、Coreシリーズが出てきたことでデュアルコアやクアッドコアが一気に普及し、シングルコアCPUは淘汰されました。
しかし、Sandy Bridgeの2600Kは2011~12年頃ではハイエンドでしたし、その後のCPUの進化がゆっくりであったことを考えると第7世代Kaby Lakeまでは十分メインストリームとして通用しました。
2018年の人気ゲームであるPUBGでも、GTX1060や1070を搭載すれば2600Kでも十分動くとされています。
マインクラフトなどでは、もっと快適に動きます。
とはいっても、いつかは終わる時が来るものです。
もっと前のCore 2 DuoやQuadを使っている人も確かにいます。
しかし、とてもメインストリームと言えるものではなく、一部のマニアや低コスト自作erが使用する程度です。
Sandy Bridgeも、近い将来「過去のCPU」と言われ、メインストリームからローエンド帯に転落する時が来るでしょう。

さて、ここまでは抽象的な話でしたが、具体的にSandy Bridgeがいつ終わるか考えてみましょう。

1. 性能の陳腐化
まず考えられるのは、性能が相対的に低くなるというものです。
Sandy Bridgeは長らくメインストリームを保ってきましたが、RyzenCoffee Lakeの登場により、最新世代に大きく差をつけられてしまいました。

また、AVX2など最新の命令にも対応しておらず、機能面でも劣る現状となってきています。
2019年にはAMDのZen2やインテルのIce Lakeが登場するとされており、前世代から大幅な性能向上が期待されています。
これにより、Sandy Bridgeはついにローエンドに降格してしまうかもしれません。

2. Windows7のサポート終了
現在はWindows10が普及しつつありますが、まだWindows7を使い続けている人が多いのも現状です。
当然ながらWindows7環境を使い続ける人も少なくないでしょう。
Sandy BridgeはWindows7の時代に登場し、Windows7に最適化されたCPUであり、Windows8や10にはそこまで最適化されていません。
Windows7は2020年にサポートが終了する予定であり、少しずつその動きが始まってきています。
Sandy BridgeはWindows7と共に寿命を迎えるかもしれません。

3. Meltdown/Spectre
近年のITに関するニュースで最も衝撃的だったのが、現行CPUの脆弱性の発覚です。
しかも、よりによってインテル製CPUが最も影響を受けるという状況でした。
そして、その最も大きな影響が「性能低下」です。性能低下の割合は世代によって変わります。
・Broadwell(第5世代)以降…性能低下は軽微
・Haswell(第4世代)以前、Win10…性能低下が目立つが、実感はない
・Haswell(第4世代)以前、Win7or8…性能低下が目立ち、実感する可能性がある


デデーン♪

\(^o^)/ Sandy Bridgeおじさん、OUT!

ということで、Sandy Bridgeは残念ながら性能が低下してしまいます。
というか、古い世代のCPU用のチップセットはセキュリティ面で問題を抱えていることもあるので、安全面を考えると基本は買い替えたほうがいいでしょう。

4. Sandy Bridgeおじさんの高齢化
それでもSandy Bridgeが良いんだ!という人がいます。
申し訳ないですが、それは「懐古厨」でしょう。
懐古厨ではなくても、古い製品に搭載されている機能が欲しくてアップグレードしたくないというのもあるでしょう。
確かに、新しい製品では、大人気の機能が何故か割愛されるということも少なくありません。
しかし、CPUは基本世代が新しいほど機能が進化し、機能の削除は少ないです。
そして、Core 2おじさん同様、Sandy Bridgeおじさんもそのうち高齢化するでしょう。
若い世代はCoffee LakeRyzenで競争し、おじさん達は旧世代CPUで必死に頑張るのです。
そして、いつかは寿命を迎え、Sandy Bridgeは伝説に残るのです。
というふざけた話(笑)でしたが、Sandy Bridgeもいつかは終わってしまうものです。


■次はHaswellおじさん? Windows7おじさん?

Sandy Bridgeおじさんが終了したところで、また新しい「何とかおじさん」が登場しそうな感じはしますが、次は一体どんなおじさんでしょうか?
Haswellおじさん」なんてのはありそうですね…
Haswellの4770K4790Kは2018年でも使っている人は多いですし、まだまだ現役で使えそうです。脆弱性問題で性能低下が噂されていますが、十分な性能があるため、実質的な影響は少なそうです。

または「Windows7おじさん」でしょうか。

Windows10が出て3年ほど経過しましたが、おそらく2020年になってもそれなりにWindows7を使っているおじさんは多そうです。
2025年頃には、「Coffee Lakeおじさん」とかが生まれるのでしょうか。


■結論

長々と書いてしまいましたが、結論は以下の通りです。

最新技術を楽しみたいなら、最新のハードを使え!
最新技術を楽しみたくなくても、基本的に最新のハードを使え!
どうしても旧世代を使いたいなら、セキュリティなどを考慮しつつ使え!



こんな駄文を読んでいただき、ありがとうございました。



2018/4/19 追記
読みにくい文字があるということで、修正いたしました。