北海道さん、よく平和で安定しているものだ…

北海道というと今は日本の領土の一部ですが、よく考えてみるとこんな場所よく近代的になったなぁ、と思ったりします。

だって、北海道って地理的に欠陥が多すぎやしませんか???


■津軽海峡
北海道と本州を隔てる海峡。
これがあるために多くの生物が足止めを食らい、青函連絡船、青函トンネルと交通手段が進歩した今でも大きな壁として立ちはだかっています。

この海峡があるおかげで、
・北海道の発展が遅れる
・松前藩がジャイアニズムを発揮する
・送料が何故か高くなる
・新幹線が何故か遅くなる異空間(静岡にもあるらしい)
・災害時に電気の融通が限られる
・中国船、ロシア船が明らかに無害じゃない通航をしてくる(国際海峡において、無害通航は制限されていない)
と、デメリットがあまりにも多いです。

メリットはと言うと…
・大間のマグロや函館のイカが取れる
・ゴキブリなどが北海道に上陸しない(最近は北海道でもちらほら見られる)
・東京への人口流出を食い止めている?(東京ではなく札幌に流出する人が多い現状を考えるとあまり…)
と、あまりないです。

この海峡を埋め立てたら莫大なコストが掛かり、環境への影響も計り知れないので非現実的ですが、北海道と本州を分断し、北海道を不便にするには十分な規模の海峡です。


■内浦湾(噴火湾)
真のボスは津軽海峡ではなく、内浦湾かもしれません…
地図を見てください。内浦湾のせいで…

札幌と函館を移動するのにとんでもない遠回りを強いられています。
高速道路だと、小樽方面ではなく室蘭方面を通るため、余計遠回りになります。
今後は新幹線も建設されますが、この地形のせいで何十分も遅れ、工事費が余計にかかっています。
内浦湾に橋やトンネルを掛けてショートカット、なんてのも不可能ではない(技術的にも予算的にも)ですが、こんな長い橋やトンネルは安全を考えると通りたくないものです。
内浦湾自体は特に石油やガスが埋まっているというわけではなく、魚介類が取れる程度です。
神は何故こんな地形を作ってしまったのでしょうか…


■中途半端な広さ
上記に挙げた「北海道の不便さ」は、地形だけでなく広さも影響しています。

例えば、アメリカ大陸くらい広いと飛行機や高速鉄道が最適な交通手段となります。
逆に、東京都、千葉県、埼玉県、神奈川県くらいの範囲になると車や在来線鉄道が最適です。
北海道は?

そう、中途半端に広いために、飛行機や高速鉄道を使うには近すぎるし、車や在来線では遠すぎます。
実際、北海道をレンタカーやバスやJRで旅行した人は分かると思いますが、とにかく遠いです。
しかも、高速道路の整備が遅れてしまったため、速度違反上等です。
(不思議なのは、高速道路が整備されるほど安全性も利便性も向上するのに、一般道の制限速度を上げよという声が多いこと。現状の法律で一般道の速度を70km/h以上に上げるには、農業作業車や軽車両などの高速道路を走れない車両を分離しなければならず、コスト面でのメリットが小さかったりする)

今の北海道の物流や人の流れを考えると、現状の高速道路はどう考えても足りないですが、未だに公共事業悪玉論や速度違反上等なアホな道民が少なくなく、高速道路はいらない、という人もいます。
また、高速道路を整備するにしても下道とほぼ変わらない70km/hではなく、100km/hで走行できるような道路でないと意味がありません。
(この話は道民に限った話ではなく、日本全国に言えると思う)

交通の面から見ても300km~400kmという距離は中途半端で、しかも人口密度の低さから空港や高速鉄道を整備するには採算性が悪く、積極的に作れません。
(何で、もともと構造的に採算が見込めなかったJR北海道を分離したのか、本当に謎に思う)

広さという観点からも恵まれていない土地、というわけですね…


■気候
北海道の気候も、世界的に見ればなかなか酷いです。
冬の気温は北緯40度台にしては比較的寒く、雪はアホみたいに降ります。遥かに緯度の高いカナダ北部とかでもこんなに降りません。一体何の恨みなのか…
(気象学的に説明すると、冬のシベリアからの季節風、対馬暖流による高温の海水温が原因。しかも石狩平野に限っては小さい低圧部が発生するのも大雪の原因で、まさに呪い。)
雪はスキーや観光資源になる、もしくは夏季の水不足の解消からメリットもあるという考え方もありますが、都市部に降るのは百害あって一利なしです。

雪が降ることによる人的・物的被害、ストレス、経済損失は計り知れないですが、雪を利用することによるメリットはほとんどないです。せいぜい、夏季の冷房に使えるとか、農作物の生産性向上に使えるとかありますが、都市部に降る必要はありません。2020年のさっぽろ雪まつりでは、中心部に雪が降らなくても開催できることを証明してしまったからね…

かといって、夏が涼しいというわけでもありません。
内陸都市や札幌では最高気温30度以上の真夏日が10日くらいはありますし、内陸部では35度以上の猛暑日も毎年と言っていいほどどこかで観測しています。しかし、北海道のアメダス観測点は少なく、39度になることはあってもなぜか40度にはならなかったり、札幌は猛暑日になかなかならなかったり…

ヨーロッパの同じくらいの平均気温のところ(ドイツとかフランスとか)では、夏にこんな暑さになることは滅多にありません。

しかも、夏~秋には本州同様に台風が襲ってきます。
さらに、地震のリスクも世界的に見れば高いです。日本の中では安全と言われていましたが、2018年に大地震が発生、電力網まで麻痺して「地震が少ない街」のイメージを覆されてしまいました。
暑いだけの所、寒いだけの所、雨が沢山降る所は世界中にたくさんあると思いますが、
大雪+冬の寒さ+夏の暑さ+台風、ここまで気候的にスパルタな土地は他にないと思います。
まさに「試される大地」じゃないのでしょうか…


■地政学的な位置づけ
北海道周辺の地図を見ると、北海道は朝鮮半島のように大国に囲まれた非常に不安定な地域にあることがわかります。
西に中国
南西に北朝鮮、
北にロシア、
東にもロシア、
南に日本、
と、ほぼ四方を強国&怖国に囲まれています。
幸い、南の日本が強いおかげで日本の領土として平和的に発展したわけです。
島国で大陸とも日本とも距離が置かれていた琉球は、両方のバランスを取って長い間国家として存続することができました。(最終的に日本の一部になったけど…)
一方、不幸にも周辺国に翻弄され、逆手に取りそれを利用しようとして失敗した朝鮮半島は、
高麗国
→李氏朝鮮
→明・清の属国
→独立
→内輪もめ
→日本が併合
→独立
→朝鮮戦争
→中国・米国の支配下
→南北に分断
 北部:アジアの最貧国
 南部:米国の属国 のち 中国の属国?
という、悲しい結末を迎えています。
もし、日本が軍事的・経済的に弱い国だったら朝鮮半島と同じ結末をたどっていたのかもしれません。
朝鮮半島みたいにならなくて良かったものです。


■自動車時代を考えない浅はかな都市開発
今、北海道最大の都市が札幌なのは、明治時代から札幌を中心地とすると決めていたからです。
札幌が中心地になったのは、石狩川・豊平川があって運送的に便利、雪が降るので冬の寒さがダイレクトに土に伝わらず、農業被害が小さいなどがありました。

その「雪」が、今になって大問題になっているんだけどね…

北海道も今や車社会です。
車にとって雪は百害あって一利なし、最大最悪の敵です。
車に限らず、徒歩以外の交通手段にとって雪は有害な存在です。

まあ、昔だから交通機関のことなんて頭になかったのかもしれませんが、今思えば、こんなに雪が降る(何故か2019年は雪が少なかったけれど…)札幌を北海道の中心地にし、200万の都市圏を形成してしまったのは失敗なのではないでしょうか?
別に道庁所在地を函館に移せとか、苫小牧に移せとか言うつもりはないですが、札幌の「雪」というものに対してもっと早くから関心を持っていても良かったと思います。


■寒地農業の強行
北海道は開拓当時、稲作でかなり苦労したといわれています。

何故稲作をやろうと思ったのか?
当時、お雇い外国人は畑作を奨励したりと「稲作は難しいから止めたら」みたいなことを助言していたそうですが、なんとしてでも米が食べたい開拓使は、稲の栽培を強行しました。
結果的に、非温暖地での稲作の開発に成功したことは大きな功績ですが、今思えば、畑作や酪農に特化されていれば日本の食料自給率はもっと高かったのでは…と思ったりします。

そもそも論ですが、北海道を食料基地にしようという試み自体、正直どうかと思います。
現状でカロリーベースでも金額ベースでも食料自給率が100%どころか80%にも及んでいないこと、農業に特化したせいで北海道の経済が不安定になっていることを考えると、北方警備を考慮して工業・軍事の街にしたほうがひょっとして成功したのでは?と思ったりします。
また、北海道が食料基地として整備された影響で、本州以南の農業が衰退したとも考えられます。

都市の配置も、防衛に寄与しにくい旭川・北見・帯広などの内陸都市は発展させず、根室や稚内などの最果ての地を発展させて、防衛拠点として発展させたほうが良かったのではないか、と思ったりします。
(農業や林業も当時は重要だったんだろうけど、集約化が進んだ今ではメリットが小さい)


以上、思いつく限り北海道の地理的な欠陥を挙げてみましたが、こうしてみると北海道は
ちょっと試されすぎじゃないですか???
ここまで地理的、地政学的に不利な土地って他にあるでしょうか?
ポーランドとか?

北海道は全国平均と比べ、国の補助金や公共事業に頼っているという側面がありますが、これだけの地理的欠陥を抱えていることを考えると、当たり前のような気がします。

当時の日本がフロンティア精神溢れすぎていたのか、開拓使が常軌を逸するほどドMだったのか、理由はわかりませんが、よくぞ北海道を開拓してくれたものです。
開拓使から150年経った現在、北海道育ち北海道生まれの「ネイティブ北海道民」がほとんどを占めていると思われますが、こういう凄い土地に住んでいるということを自覚し、誇りに思うことも大事だと思います。