ballistix

最近、メモリのオーバークロックにはまっていて、新しいメモリを何セットか買ってオーバークロック耐性を確認していました。

今回紹介するのは、CrucialのBallistix GamingのDDR4-3600 8GB×2枚(価格約13,000円)です。
Crucialといえば安定性で評価されるMicronの主力ブランドですが、このシリーズに搭載されているメモリICがオーバークロック耐性の高い「Micron E-Die」であるという点は、注目すべきことです。
メモリOCerとして見逃せないため、買いました。

早速、外観の紹介から。


■外観
ballistix

外観は一般的なヒートスプレッダ付きのメモリという印象で、Micronらしい真面目なデザインだなぁと思いました。なお、写真は黒ですが、赤・白のバリエーションもあります。


ballistix-2

箱の裏側。


ballistix-3

本体です。


【Thaiphoon Burner】
メモリのSPDの情報を読み取り表示するソフト「Thaiphoon Burner」を使い、今回使うメモリのICの種類や仕様について調べました。

thaiphoonburner

予想通りMicron E-Dieでした。(J-Dieもあるらしい?)
定格速度は2666、XMPが3600で、19nmプロセス採用で、中国で製造されていることがわかります。
(※ただし、このソフトも時々誤認識することがあるため、過信は禁物です)


■ラインナップ
今回はDDR4-3600のモデルを買いましたが、他にも以下のようなスペックがあります。
3600までが「Ballistix」、4000以上は「Ballistix MAX」というブランドになります。
DDR4-5100というとんでもないスペックのものもありますが、価格的に買えないですね…(苦笑)

Ballistix
・2400 CL16(黒) 4/8GB
・2666 CL16(黒/白/赤) 8/16GB
・3000 CL15(黒/白/赤) 8/16/32GB
・3200 CL16(黒/白/赤) 8/16/32GB
・3600 CL16(黒/白/赤) 8/16/32GB

Ballistix RGB
・3000 CL15(黒/白/赤+LED) 8/16GB
・3200 CL16(黒/白/赤+LED) 8/16/32GB
・3600 CL16(黒/白/赤+LED) 8/16/32GB

Ballistix MAX
・4000 CL18(黒) 8/16GB
・4400 CL18(黒) 8/16GB
・5100 CL19(黒) 8GB

Ballistix MAX RGB
・4000 CL18(黒・LED) 8/16GB


■テスト
オーバークロックのテストは、AIDA64のメモリ・キャッシュテスト、FFXIV ShadowBringersベンチマークで行います。(安定性のテストなどはせず、取り敢えずベンチマークが回ればOKとしました。)
メモリのサブタイミングは、今回のテストでは調整しません。(CL-RCD-RP-RAS-CRのみ設定)

テスト環境
・Crucial Ballistix Gaming 16GB (2×8GB) DDR4-3600 ※共通
・Intel Core i9-11900K
・MSI MAG Z490 TOMAHAWK
・DDR4-3600まではIMC設定をGear 1、4000以上はGear 2に設定
(※IMC…Integrated Memory Controller:CPU内蔵のメモリコントローラ)

・AMD Ryzen 7 5800X
・MSI MEG X570 UNIFY
・DDR4-3800まではIMC:DRAM比率を1:1、4000以上は1:2に設定


・DDR4-2666 CL19 1.20V(SPD定格)
11900k-ffxiv_2666c19

あまりこの設定で使う人はいないと思いますが、比較用に念の為。


・DDR4-3600 CL16 1.35V(XMP)
11900k-ffxiv_3600c16

XMPを有効にした場合の速度。この辺が一般だと思います。
今回のマザーと11900Kの場合、Gear 1動作でも問題なく動きました。


・DDR4-4000 CL18 1.35V ※ここから先はIMCの設定をGear 2に設定
11900k-ffxiv_4000c18

Gear 2にした弊害なのか、FFXIVベンチマークのスコアは下がっています。


・DDR4-4400 CL18 1.45V
11900k-ffxiv_4400c18

FFXIVのスコアは上がったものの、3600のGear 1よりは遅い。


・DDR4-4600 CL18(+Subtimings) 1.45V
11900k-ffxiv_4600c18

まさか4600 CL18が普通に通るとは…
tRCD-tRPのタイミングはSamsung B-Dieより緩めだが、全然悪くない。
FFXIVのスコアは悪くないが、Gear 1にはまだ勝てず。
メモリの転送速度は死ぬほど速くなっている。(Read 66.8GB/s)


・DDR4-4800 CL20 1.50V
11900k-ffxiv_4800c20-2

4600も通れば4800も…
と思いきや、この辺りに壁があったようで、CL18は勿論のことCL19も通りませんでした。
電圧も1.5Vで、安全性を考えるとほぼ上限になってしまいました。

おそらく、CorsairなどのMicron E-Die使用の4800や4866はこの辺が通る希少な選別品だから、アホみたいに高い値段をつけているのではないかと思います。


【AMD環境】
ある程度感覚はつかんだので、Intel環境時よりもタイミングを攻めます。

・DDR4-2666 CL19 1.20V(SPD定格)
5800x-2666c19

定格でもFFXIVベンチのスコアが25000超えと、5800Xは恐ろしいCPUである。


・DDR4-3600 CL16 1.35V(XMP)
5800x-3600c16

XMPだと当然スコアはアップし、28000台に…


・DDR4-3800 CL16(+Subtimings) 1.40V ※1:1動作の最高速度
5800x-3800c16+sub

非常に惜しいスコアになりました…
この5800X+X570UNIFYでは4000が1:1Modeで安定して動かなかったので、3800にしました。


・DDR4-4266 CL16 1.45V
5800x-4266c16

2:1Modeに移行したため、FFXIVのスコアは低下しているが、4266MHzのCL16(7.5ns)が安定して動作するのはなかなか優秀な個体だと思います。


・DDR4-4800 CL20 1.50V
5800x-4800c20

AMD環境でもDDR4-4800はクリア。
Intel環境では次がいきなり5000だったので、細かく調整できるAMD環境では、ここから小刻みに最高クロックを狙っていきます。


・DDR4-4866 CL20 1.50V
5800x-4866c20

まずは4866ということで同じ設定で回してみたが、なんと4866が同じ設定でクリア。
調子に乗って4933や5000もクリアできると思ったが…


・DDR4-4933 CL22 1.50V
5800x-4933c22

CL20や21では起動すらままならず、CL22でやっとまともに動作しました。

5000も行けるかと思い挑戦したが、タイミングをさらに緩めたり、電圧を1.55Vに上げたりしても起動すらしなかったので、今回の個体では4933が最高記録でした。



■ベンチマークスコア比較
AMD環境も含め、メモリOCをした際のメモリ転送速度、レイテンシ、FFXIVのスコアを比較しました。

・まとめ表
ballistix3600_overclock

5800Xのメモリライト速度はInfinity Fabricの速度がボトルネックとなるため、一定値以上にはなりません。(4866のときの34GB/sは異常値)
11900Kの場合は、メモリの速度に応じて順当にリード・ライトが伸びます。



・メモリリード速度
memory_read

Intel環境ではクロックに応じて伸びています。
AMD環境では3800をピークとして、それ以外は51GB/sでとどまっています。
(5950X・5900Xだと変わるかも?)



・メモリレイテンシ
memory_latency-2

AMDはDDR4-3800、IntelはDDR4-4533が最小で、それ以外ではレイテンシが増えています。
(一部異常値あり)



・FFXIV ShadowBringersベンチマーク
ffxiv

AMD、Intel共に、メモリコントローラの速度が落ちなくて済む最大速度辺りで最も良いスコアとなります。ただし、それ以上の速度でもかなり高い領域に入ると再びスコアが上昇しています。



■総評
非常に優秀なOC耐性を持っていることがわかりました。
価格帯からしてせいぜい4400~4600MHzが良いところだと思っていましたが、意外にも4800を超えることができ、AMD環境では5000に迫る速度を達成することが出来ました。
(DDR4-4000のモデルを買ったら5000も回ったかも?)
実際、Crucialのメモリは世界記録を取ることも多いので、それを裏付けた感じです。
DDR4-3600なら価格も比較的お手頃なので、DDR5が主流になるまでの間、Intel第10~11世代や、Ryzen 3000~5000環境で使うならベストなメモリだと思います。