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今年は全国的に雪が多く、除雪が追いつかずに生活に影響を及ぼすなど問題になっていますが、管理人はまた懲りずにPCパーツを買ってしまいました。

今回紹介するパーツはAlder LakeとかRyzenとかRTX 30シリーズとか新しいものではなく、登場が10年以上前のパーツになります。

1. Core i7-930
2010年2月発売の第1世代Core CPUです。
コードネームはNehalem(Bloomfield)で、45nmアーキテクチャです。
次の世代のSandy Bridgeのインパクトが強かったせいか、この世代は比較的影が薄いですが、Core 2 Quadの拡張・改良版ということもあり性能は当時としては最強でした。
(ただし消費電力は多く、高コスパなAMD Phenom IIの登場もあり評価は微妙に)

対応ソケットはLGA1366で、大きさとしてはLGA115X/1200よりもやや大きく、LGA20XXよりはやや小さいです。AM4と比較するとわずかに大きい程度です。
縦横比は違いますが、最近出たAlder Lake-SのLGA1700に近い大きさでしょうか。

CPUの大きさ比較
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左上:LGA775(Core 2 Quad Q6600)
中上:LGA1366(Core i7-930)
右上:LGA2011(Xeon E5-2697v2)
左下:LGA115X(Core i7-4790K)
中下:PGA1331/AM4(Ryzen 9 3950X)


CPUの表側には、左下(4790K)よりも金メッキの点が多く見られるのが特徴です。

CPU表側
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CPU裏側
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2. ASRock X58 Extreme 3
第1世代Core(900番台)に対応するマザーボードです。
現在では無い「Extreme 3」というブランドであったり、今では見られないコネクタ類など懐かしさを感じられます。Core 2時代に近い感じを受けます。

マザーボード全体
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CPUソケット部
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メモリスロット(今では見られない3ch)
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今では、というかPCの歴史をたどっても珍しい「トリプルチャネル」規格となっています。
デュアルチャネルではなくトリプルチャネル方式を採用したのは、当時DDR3が立ち上がったばかりでDDR3-1600が一般的ではなく、1066で1600並みの速さを出そうとしたら3スロットになった、という経緯があるそうです。


VRMファン
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チップセットヒートシンク(ノースブリッジ)
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チップセットヒートシンク(サウスブリッジ)
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このマザーボードには「ノースブリッジ」が搭載されています。
当時はCPUに内蔵されている機能が少なく、PCI ExpressのコントローラはCPUに近い側のチップセットであるノースブリッジに搭載されていました。
次の第2世代(Sandy Bridge)CPUではPCI ExpressコントローラもCPUに内蔵されることとなり、ノースブリッジはお役御免となり、その後サウスブリッジのみが生き残りました。
現在ではチップセット=サウスブリッジとなっています。1つなのに「セット」なんですね…


【懐かしい要素】
このマザーボードには多くの懐かしい要素があるので紹介します。


1. ATI Crossfire X
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「ATI」というのはカナダの半導体設計会社で、NVIDIAと並ぶ大手グラフィックチップメーカーでした。
性能の高さなどメリットもありましたが、ドライバがとにかく不安定だった印象がありました。
2006年にAMDに買収され、ブランドはしばらく残ったものの2010年頃に消滅しました。
買収でAMDが得た技術は今日のRadeonシリーズや、GPU搭載CPUであるAPUなどに活かされています。


2. IEEE 1394
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この「VIA」のVT6308Sは、IEEE 1394のコントローラーチップです。
IEEE 1394といえば、USB 3.0が普及する前は高速転送コネクタとして知られていました。USBは2.0でデータ転送に使えるほど高速化しましたが、安定性の面などでIEEE1394を選ぶ人もいました。

「VIA」というのも懐かしいかと思います。
VIAは台湾の半導体メーカーです。VIAといえば、昔はインテルの互換CPUや省電力CPUとして有名でしたが、今は中国の上海市と合弁会社を作って「Zhaoxin」というCPUを作っています。


3. PCI Express 2.0
4. QPI 6.4 GT/s
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現在でもグラフィックボードなどの接続規格に用いられる「PCI Express」ですが、この当時はまだ2.0でした。現在最新のものでは5.0まで出ています。(普及しているのは4.0)

また、右上には「QPI 6.4GT/s」と書いてあります。
これはCPUとチップセットなどを接続する規格で、FSBの後継規格に当たります。
現在ではPCI Expressをベースとした「DMI」に置き換えられています。

更に余談になりますが、上の方に「NEC USB 3.0」と書いてあります。
当時はNECがUSBのコントローラを作っていたんですね…
(後にRenesasという名前に変わったり、別のメーカーを採用するようになった)


5. PCIスロット
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PCIスロットも最近あまり見なくなりました。
(ただし、B550チップセットなどで搭載品は出ている)
録画ボードなど一部の製品はPCIスロットで動くので、一部の人にとっては重宝するようです。


6. フロッピーコネクタ
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フロッピーコネクタも、今のマザーボードでは見かけません。
このマザーボードはちょうどフロッピーコネクタがなくなる寸前の頃の製品だそうです。
(ASRockはフロッピーコネクタを比較的長く残したらしい)
ただし、一部の界隈では未だにフロッピーを使うこともあるらしく、生産終了で困っているところもあったそうです…

また、全体写真にも写っていますがIDEコネクタが搭載されています。
今ではSATAやM.2が一般的ですが、この頃まではまだ残っていたようです。


7. I/Oパネル
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I/Oパネルにも懐かしさを感じる部分があります。
まず、USB Type-Cは無く、USB 3.xのポートも全部ではなく2.0が主流だったりします。
IEEE 1394のポートも当然ながら存在します。
また、5年位前まで見かけたeSATA(SATAの外付け規格)にも対応しています。
その他の部分については、今とそんなに変わらないような気がします。


ということで、懐かしい要素がたくさんあるCPUとマザーボードでしたが、
今後、このCPUとマザーを動作検証・ベンチマークして、どれくらい使えるか探っていきたいです。